一日約6千人。ワクチンが手にはいらないために、世界中の発展途上国で5歳に満たない子どもたちが、予防可能な感染症にかかり命を落としているという。ワクチンさえあれば子どもたちの命が助かるのに・・・そんな思いから1994年に活動を開始した「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」(JCV)は、2002年にNPO法人格を取得。その後、2006年に国税庁より認定NPO法人として認可を取得し、精力的に活動を続けている。
「JCVの使命は、ポリオ(小児マヒ)やはしか、ジフテリアなど予防できる(可能な)感染症で、未だに多くの子どもたちが命をおとしている(す子どもたちが数多く生活する)発展途上国に、ワクチンを供給することです。また、この活動を通して地球規模の視野をもったボランティア活動の推進にも力を入れています」
そう語るのは、同事務局次長・江崎さん。JCVでは、ただワクチンを届けるだけでなく、ワクチンを運ぶ自転車、保存するための冷蔵庫などを贈るとともに、医師や医療技術者などを育成し、被支援国が継続的・主体的にワクチンを管理できるよう支援を行っている。こうした活動の基盤となるのが、ワクチン供与のための募金活動。
募金活動を支える寄付者とのやりとりは、日常的な作業の中でも重きをなす。NPO法人格を取得後、寄付者へのパーソナライズされた領収書、お礼状、感謝状、ニュースレターの送付、それにともなう発送履歴の管理などを円滑に行うため、業務の効率化、仕組化を可能にするデータベースシステム構築の必要性を強く感じるようになったという。
「当初は、寄付者への領収書発行も手書きで行っていました。PCを活用するよりも手作業に追われることが多く、毎日ひとりで整理に忙殺されていましたね。任意団体として活動をしていたときに利用していたデータベースと、NPO法人としての組織運営が始まったときに活用し始めたデータベースが異なっていたために、名簿の一元管理ができていなかったんです。差し迫った課題として、寄付者のみなさんがいつ寄付金を振り込んでくださったのか、私どもからいつ領収書をお送りしたのかなど、やりとりが一目瞭然にわかるデータベースの統合がどうしても必要だと考えました」
あわせて認定NPO法人の認可取得も視野にいれた組織化を進めるにあたり、2003年3月にデータベースソフト「Microsoft Access」を導入。データベースの構築にあたっては、システム開発を外部へ委託し、運用に際してどのようなデータ管理が必要か、システムを使う側の要求を洗い出す作業も行った。
「JCVのために設計された仕様ですので、入力画面からデータ管理、データ出力まで運用にあわせたシステムになるよう配慮してもらいました。ボランティアスタッフによる入力作業があることも想定し、わかりやすいメッセージ表記、画面表示の文字を大きくするなどの工夫もされています。あわせて領収書のレター文言のメンテナンス画面も作成し、プログラムを変更せずに文言の変更ができるよう利便性も図りました。 もちろん、導入前の設計と実際に運用を始めてからとでは問題点は生じてきます。その都度、機能の追加などメンテナンスを繰り返してはいますが、運用についてはなかなか思うように費用をかけられないというNPO法人の実情もあるので、開発時になるべく想定できる機能をセットしておくほうが賢明(懸命)だと思います」
データベースソフトの導入に伴い、領収書やお礼状の発行がスムーズになったばかりでなく、データの分析により計画的な募金のキャンペーン(DMなど)が可能になったと話す江崎さん。
各種金融機関口座の管理・登録も効率的に行えるようになったことで、寄付者から毎月定額の募金を募る「子どもワクチン毎月募金」の参加者も増え、今では活動ベースの支柱になりつつあるという。
「寄付者のみなさまはお顔が見えない相手でいらっしゃるだけに、コミュニケーションの中で少しずつ積み上げられる情報はとても貴重?(希少)なものとなります。継続的な支援者から初めて問い合わせをくださる支援者まで、ひとりひとりのご希望にあったアプローチをさせていただくためにも、データベースによる情報管理は必要不可欠なものだと実感する毎日です。今後は、データベースを活用したさらなるマーケティングや募金者へのよりよい情報提供を目指し、より充実したプロファイル作りを行っていきたいと考えています」
データベース統合による活動の可能性はますます広がっていきそうだ。
【紹介】
| 団体名 |
認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを 日本委員会 |
| 団体事務所 |
〒100-0013 千代田区霞が関3-6-14 |
| TEL : |
03 (3591) 0623 |
| FAX : |
03 (3591) 0624 |
| Email : |
info@jcv-jp.org |
| URL : |
http://www.jcv-jp.org/ |
| 代表者 |
理事長 細川佳代子 |
| 活動開始年月 |
1994年1月 |
| 主な活動分野 |
国際協力 |
団体の使命、目的
世界の子どもにワクチンを 日本委員会は、予防可能な感染症で命をおとす子ども達が数多くいる発展途上国に、ワクチンを供給することを目標とする。また、この活動を通して地球規模の視野をもったボランティア活動の推進にも力を入れている。
団体の主な活動
- ワクチン供与活動
- ワクチン供与のための募金活動
- ボランティア促進事業
【ITデータ】
かかる時間
目安となる費用
- 【費用を抑えるコツ】
- なるべく出来ることは自分達でやること
必要なITスキル
必要なITインフラ
- パソコン
- データベースソフトウェア
- サーバー 1台
- ハイスピードネットワーク
- プリンター複合機
下準備
- 業務フローの整理
- 団体の保有データの種類や量の把握
- データベースの利活用の方法について検討すること
工程
- 委託先を検討し、見積りを取る
- 委託業者と、団体のニーズやリソース、キャパシティーを話し合いながら、データベースの設計を行う
- 委託先が開発、データベースを構築
- 両者でユーザーテストを行う
- テスト運用実施
- 運用開始
ワンポイントアドバイス
- 団体内部でデータベースシステムを構築、運用する際に大切なことは、プログラム開発が出来る人材を団体が確保することではなく、団体内部で必要なのは活動目的や業務内容を明確に整理し、把握すること。また、委託先の選定も大変重要なポイントで、中でも一番大事なのは、募金活動の実態を理解し、団体のニーズを十分に理解した上で開発にあたれる担当者がいることだと思う。それには、十分なコミュニケーションが必要。
- また、出来上がったシステムをきちんと運用していくことも大事。たんなる領収書の印刷のためのシステムにならないよう、データベースを活用したマーケティングやドナーケアーをしていかなければ、システム化をする意味がなくなってしまうので、NPOが導入する際は特に運用についても検討が必要。
投稿日
2007/1/1 (月)
投稿者:
マイクロソフト
タグ: IT活用事例